2022/05/17 00:45
こんにちは😃
採血先生Xです。
今日のお題は【採血管(スピッツ)の順番と覚え方(ホルダー採血Ver.)】です。

そもそも、採血管をホルダーに挿したり、採血管に分注したりするのに順番なんて関係あるの?
覚えるのがめんどくさい・・・
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、検査データを正確に出すためには、順番が大切となります。
いくら検査技師さんが正確に検査してくれていても、採血する側が間違えるとデータに誤差が出てしまうことがあります。
採血はいわば、検体検査の入口でもあるのです。
採血管の順番ですが、標準採血法ガイドラインによると
【ホルダー採血の場合】
1.凝固検査用採血管
2 赤沈用採血管
3 血清用採血管
4 ヘパリン入り採血管
5 EDTA 入り採血管
6 解糖阻害剤入り採血管
7 その他
または
1 血清用採血管
2 凝固検査用採血管
3 赤沈用採血管
4 ヘパリン入り採血管
5 EDTA 入り採血管
6 解糖阻害剤入り採血管
7 その他
となります。
覚え方は、血清用採血管を除いて基本的に血液が固まって欲しくない順だと思ってください。
ポイントは血清用採血管の順番をどこにもってくるかですが、おすすめは後者です。
血清用採血管を最初に持ってくる順番です。
その理由として、組織液の影響や翼状針を用いる場合は翼状針のチューブ部分のエアー量があること、抗凝固剤のアダプターを介して次の採血スピッツに持ち込む可能性があるためです。
採血管の順番理由①組織液の影響に関して
最初の穿刺時に針の入り方がまずかった場合、組織液が混じってしまう可能性があります。
組織液には、外因系凝固を刺激する第Ⅲ因子が含まれるので、凝固検査を最初に持ってきてしまうと影響がでることが考えられます。(エビデンスはありません)
なので、スピッツ内で凝固させる血清用採血管を最初に持ってくるのがベターだと考えられます。
採血管の順番理由②翼状針のチューブ部のエアー量に関して
凝固検査は、抗凝固剤と血液の比率(1:9)が決まっており、正確に血液量を採取する必要があります。
翼状針を用いて採血を行う場合、最初に凝固検査用の採血スピッツ(黒栓、3.2%クエン酸ナトリウム)を順番にしてしまうと、翼状針はチューブ部分のエアー容量が0.4-0.5mLほどあります。
そのため、正確な量を必要とするにも関わらず、エアー容量分の血液の採取ができなくなることがあります。
採血管の順番理由③抗凝固剤が次の採血スピッツに持ち込まれる可能性について
抗凝固剤はホルダー採血のルアーアダプターを介して次のスピッツに持ち込まれることがあります。
ホルダーを逆さまにして採血した場合やルアーアダプターのゴム中に抗凝固剤が入り込んでしまった場合が考えられます。
特に生化学検査への影響は大きく、例えば血算用スピッツに入っているEDTA-2Kが生化学検査に持ち越された場合、2KのK(カリウム)を測り込んでしまうため、高く出てしまうことがあります。
K値が8mEq/Lとか9 mEq/Lとか出ることがあります。(本当の数値なら大変です)
また、EDTAは2価の金属イオンをキレートしてしまうため、カルシウムがや亜鉛などが測定されませんし、2価の金属イオンを含有している酵素(ALPなど)が低値に出てしまいます。
採血管の順番がいかに大切かおわかりいただけたでしょうか?
ここまでの説明をしているサイトは他に中々ありません。
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